科学部 コロイド溶液の性質
皆さんこんにちは。
今週の実験は、水酸化鉄(Ⅲ)コロイド溶液の調整と性質の確認です。
コロイド溶液とは、コロイド粒子(直径1nm~数100nm程度)が液体中に分散した溶液のことです。
飽和の塩化鉄(Ⅲ)水溶液を沸騰水に加えると、加水分解反応が起こり、
赤褐色の水酸化鉄(Ⅲ)のコロイドが得られます。
このようにして作ったコロイド溶液には、コロイド粒子の他、
不純物として水素イオンや塩化物イオンが含まれます。
この混合物をセロハン膜に包んで純水中につけておくと、
水素イオンや塩化物イオンがセロハン膜を通過して、水中へ拡散していきます。
このように不純物を取り除く操作を『透析』と呼んでいます。
透析後、水素イオンや塩化物イオンは、BTB溶液や硝酸銀水溶液を加えることで、
その色の変化や沈殿の生成から確認することができます。
また、コロイド溶液には、様々な性質があります。
今回の実験では、コロイド溶液にレーザーを当て、コロイド粒子が光を散乱することで
光の道筋ができる『チンダル現象』を確認しました。
また、少量の電解質(硫酸ナトリウム)を加えると沈殿する性質『凝析』も確認しました。
コロイドの性質は、三角州(凝析)などの地形の形成に見られる他、
豆腐の作り方(塩析)、医療では人工透析などに利用されています。
コロイドの生活への利用についても理解を深めることができました。
科学部は今後も様々な実験に挑戦していきます!
実験日:5/13(月)
(文章:市川真)