1. HOME
  2. ブログ
  3. 科学部 ニワトリの脳の観察と解剖

科学部 ニワトリの脳の観察と解剖

皆さんこんにちは!科学部です!
今回の実験は、ニワトリの脳の観察と解剖実験を紹介します。普段はなかなか触れる機会のない脳の構造を目の当たりにし、生物の適応と進化の面白さを深く学ぶことができました。

実験の目的

今回の実験は、ニワトリの脳を解剖・観察することにより、その精緻な構造を理解するとともに、ヒトを含む脊椎動物の脳の進化と多様性について考察を深めることを目的としました。

鳥類が「空を飛ぶ」という特殊な行動を可能にするための、機能的な適応が脳のどの部分に現れているのか、を特に注目して観察しました。

実験の様子

今回使用したのは、ドッグフードとして販売されている鶏頭水煮缶です。
水煮のため、肉がやわらかく、ピンセットや柄付き針を使用して、慎重に皮や肉を取り除き、頭蓋骨を露出させました。
頭蓋骨を丁寧に取り外すと、脳が姿を現しました。鳥類の脳は、脊椎動物の基本的な構造を保ちつつも、鳥類特有の発達した部分が際立っていることが分かります。例えば、

・平衡感覚と複雑な運動の調節を司る、小脳が非常に大きく発達しているのが特徴的。
・中脳 も発達しており、鳥類の優れた視覚を支える中枢であることがわかる。
・大脳は哺乳類と比べると、比較的しわがなく、小さい。

取り出した脳を裏返すと、左右の視神経が交差している部分も確認できました。


生徒の感想

・鳥の頭の解剖をやるのは初めてで、とても良い経験になった。まず、想像の倍、頭蓋骨がもろかった。
・脳の観察をして、教科書でみる、人間の脳との違いを確認できた。あるものはだいたい同じでも発達している部分が全く違って、生物の進化はすごいと感じた。
・交差している視神経がカタツムリみたい。
・シーチキンと似たかおりがした。
・人間の脳と違って大脳にしわがない。これは脳の表面積をひろげる必要性が低いことと、脳全体の神経細胞の数や密度が人間より多くないから。


まとめ

今回の観察で特に注目すべきは、脊椎動物の脳の構成は基本的には変わらないものの、進化の段階や生活様式に応じて各部の発達程度に違いが見られるという点です 。ニワトリは、飛ぶという特殊な行動を可能にするために、運動制御を担う小脳と、視覚情報を処理する中脳が顕著に発達しています

ニワトリの脳は、彼らが空を自由に飛び回るための、機能的に最適化された設計になっていることを実感した、よい機会となりました。

科学部はこれからも様々な実験にチャレンジしていきます!

実験日:10/6(月)
文章:時井

Blog最新記事

blogアーカイブ